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SONG, PAUL SIMON/ソング・ポール・サイモン
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Vol.20 2003年4月5日(土)
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セント・ジュディーのほうき星 St. Judy's Comet
アルバム「ひとりごと」 There Goes Rhymin' Simon 第9曲
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ブルース調のギター前奏にエレクトリックギターが加わり、パーカッション類
はマラカスやコンガ等の控えめな伴奏。およそ子守歌とは思えない曲調の不思
議な色合いの歌です。
St. Judy's Comet (copyright:Paul Simon 1973)
Little sleepy boy
可愛い坊や
Do you know what time it is?
何時だと思ってるの?
Well the hour of your bedtime's
もうとっくにねんねの
Long been past
時間なんだよ
And though I know you're fighting it
眠気と闘っているようでも
I can tell when you rub your eyes
お目々がくっついて
You're fading fast
眠りつくのは
Fading fast
もうすぐだね
この歌はポール・サイモンの最初の子ハーパーが幼い時に作られたものです。
実際子守歌として使ったかはともかく、その頃息子を眠らせるために父親とし
て苦労していた様子が、目に浮かびます(親なら誰もが経験する格闘)。
Won't you run come see St. Judy's Comet
帚星を見に連れていってあげようか?
Roll across the skies
夜空流れる星を
And leave a spray of diamonds
ダイヤモンドの粒が
In its wake
星空で駆けめぐっている間に
I long to see St. Judy'sComet
君の瞳の中で帚星が
Sparkle in your eyes
きらめくのを見てみたい
When you awake
その目をあけたとき
星空にSt.Judy's Comet(帚星)が流れる光景の表現がとても美しいです。
星の輝きが子供の瞳に映るのを夢見る父親、ポールの深い愛情が伝わる愛すべ
き詩ですね。
Little boy
坊や
Won't you lay your body down
眠りにつきなさい
Little boy
坊や
Won't you close your weary eyes
目をつぶってちょうだい
Ain't nothing flashing but the fireflies
蛍の他に光っているものはないんだよ
なかなか眠ってくれなく、うんざりする親心。こうなれば神頼みに近いもの。
そして次の部分は特にポールの私生活をかいま見せてくれ、特に微笑ましいで
す。
Well I sang it once
一度
And I sang it twice
二度
I'm going to sing it three times more
これで歌うのは三度目、まだ歌わなきゃ
Going to stay 'til your resistance
坊やの根気と
Is overcome
我慢比べだね
'cause if I can't sing my boy to sleep
自分の息子を眠らせられなきゃ
well it makes your famous daddy
この有名な(シンガーの)お父さんの
look so dumb
名がすたるから
「有名なダディ・・」の部分は少しうぬぼれ気味に受け止められることを恐れ
ていたようですがポールはそのまま残しました。「だって、可笑しいだろう?
(今風の表現をすれば「笑っちゃう?」)」と。事実歌いながらポール自身も
少し笑っています。リラックス度合いがよくわかります。
アルバム「ひとりごと」の要でもあるマッスル・ショールズのミュージシャン
とのセッション。ドラムが入っていないのは、スタジオにドラムセットがな
かったためで、マラカスやコンガなどのパーカッションが控えめに支えていま
す。ベースギター、キーボード、そしてエレクトリック・ギターがいい味を出
しています。曲全体が淡々と続くのもいいですね。
歌のコンセプト「子守唄」にふさわしい優しさや暖かみを備え、微笑ましく、
そして美しい表現による詩。曲はおよそ子守唄らしくないものですが、ポール
の都会的なセンスが光っているこの歌。秀逸なアルバムのクライマックスにぴ
ったりの作品です。今宵の眠りの友にいかがですか?
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