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SONG, PAUL SIMON/ソング・ポール・サイモン
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Vol.18 2003年3月22日(土)
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素晴らしかったその日 Was A Sunny Day
アルバム「ひとりごと」 There Goes Rhymin' Simon 第7曲
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南国風の心地よい前奏です。ポールのアコースティックギターのソロ。シンプ
ルなベースライン。控えめなパーカッション。歌はいきなりコーラスです。驚
き!ニューヨーク大学の「作詞作曲コース(Songwriting Course)」で
ポールが教えていた時の生徒でもあったマギー&テレ・ローシェがバックコー
ラスで参加しています。
Was A Sunny Day
*CHORUS
Was a sunny day
太陽いっぱいの日
Not a cloud was in the sky
雲ひとつない青空
Not a negative word was heard
悪口なんかは聞こえないよ
From the people passing by
ここを行き交う人々からは
Was a sunny day
太陽いっぱいの日
All the birdies in the trees
梢の鳥たちや
And the radio's singing song
ラジオも みんな歌を歌っている
All the favorite melodies
お気に入りのメロディを
絵に描いたように気持ちの良い詩ですね。またすぐにメロディを覚えられそう
です。このコーラスは三度登場する作品の要でもあります。
さて、この楽しげなコーラスに短いラブストーリー挟まりまっています。本当
に短いし前後のストーリーがないのでよくわからないのですが、どことなく哀
しさが漂っているのです。
He was a navy man
男は海軍兵
Stationed in Newport News
ニューポートニューズ配属の
She was a high school queen
あの娘はハイ・スクールの女王
With nothing left to lose
失うものなどなにもない娘さ
女の子は高校では憧れの存在です。きっと勉強できてスポーツ万能、しかも美
人なんでしょう。学校では完全に敵なし。学校中の男子生徒は彼女を狙ってい
るわけです。でも彼女は男子学生には目もくれません。ということで、若さの
勝利というか怖い物知らずの青春を送っているのかもしれません。その彼女が
恋をしたんですね。相手は女の子の住む町に配属された海軍兵です。はたして
その恋は報われるのか?
なーんてたった四行の詩から想像を膨らませるとどんどん止めどもなくなりま
す。これはあくまで私のイマジネーションですからね。皆さんは皆さん独自の
イメージを浮かべてください。
*CHORUS
コーラス部分が底抜けに明るく軽いタッチです。マギーとテリーの歌もいい味
が出ています。ポールの声との絡みもソフトで気持ちがいいです。でも、コー
ラスに挟まるポールの歌い方が妙に寂しげなのが気になります。カリブ海風伴
奏(?)がたんたんと続きます。
Her name was Lorelei
娘の名はローレライ
She was his only girl
男のただひとりの女
She called him Speedoo
あの娘は男のことをスピードゥーと呼んでいた
But his Christian name
でも男のクリスチャンネームは
Was Mr. Earl
ミスター・アールだった
彼女の恋は報われたんでしょう、たぶん。男にとっては唯一の恋人だったらし
いですし。女の子は男のことをSpeedooと呼んでいたそうです。実際の名は
Earlだったんですが、ニックネームとして使っていたのか、それとも、男は本
当の名を隠していたのか?謎です。本名を知っていて愛称として呼んでいたの
ならよいのですが、男が本名を隠していたとすれば悲劇ですね。
と、ここのところ「あ、そういう話なんだ、、、」と普通は納得するんです
が、この部分には裏がありまして、ここで登場する名前は1950年代に活躍し
たTHE CADILLACSというグループのリードヴォーカルの名前(Earl 'Speedoo'
Carroll。そして彼らの歌「SPEEDOO」の歌詞そのものなんです
※キャデラックスの歌の歌詞はこちらでご覧下さい
→http://www.rockabilly.nl/lyrics4/s0161.htm)。
この歌の主人公はSpeedooという名称で別人になり注目を浴びるんだ、女の子
にもてるんだと歌っています。誰もが抱く変身願望ですか(人はそれを夢想と
呼びます)。
話が別の所へいってしまいました。ポール・サイモンの「素晴らしかったその
日」の女の子は結局海軍兵の男Mr.Earlが別の土地に配属されて悲しい別離に
遭遇したのでしょうか?あるいはその男がSpeedooという名で裏ではたくさ
んの女の子を泣かせていたとか、、、?いずれにしても悲しい結末のようで
す。
悲しい結末なのに、Chorus部分の明く、強烈なコントラストですね。
歌が終わると再びポールのギターソロです。ポールがいわゆるリードギターを
担当するのは珍しいと思いませんか?彼のギターは私たちをずっとシビレさせ
てくれますが、常にアルペジオやフィンガーピッキングテクニックを見事に操
った複雑で独特なものですから。さすがポール。このギターのかっこいいこと!
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