プレジャー・マシーン The Big Bright Green Pleasure Machine
こんなマシーンがあれば、私も買いたいものです。この「大きな明るい緑色の快楽マシーン(日本語に訳すと元もこもない名前になってしまいますね、、、)」というものを。
忙しそうなドラムのリズムにのり、ギターが不安げなメロディを引っ掻くように弾きます。そして、ポールとアートの歌。
Do people have a tendancy to dump on you?
いじめられやすい方ですか?
Does your group have more cavities than theirs?
あなたの仲間は彼らより空洞(虫歯?)が多いですか?
Do all the hippies seem to get the jump on you?
ヒッピーたちが全員あなたに襲いかかりますか?
Do you sleep alone when others sleep in pairs
他が皆ペアで眠る中、一人きりで寝られますか
マイナス要素を、あれこれ例をあげた質問。まるで巧妙なセールスマンみたいですね。
いつもは美しいハーモニーでとてもクールな歌声の二人が、どこかせわしなく、声質も別の色合いを感じます。おもしろい!
さて、たちが悪い印象のこのセールスマンですが次の一言に私たちはつい乗ってしまいます。(ポール・サイモンは一流の商業コピーライターとしても通用する?!)
We'll eliminate your pain.
私たちがその痛みを和らげましょう
We can neutralize your brain.
あなたの脳を中和させます
You'll feel just fine
気分爽快になれます
このjust fineのあたりのフレーズ、ハーモニーが、絶妙でセールスマン的でいいなぁ。プレジャーマシンを買いたくなります。
歌はその後も、どんどんマイナス要素の質問を投げかけます。
権力者にうち負かされましたか?
ビジネスの世界での人生はドラッグですか?
上司に暗に転職通告をされましたか?
Are you worried and distressed ?
悩み多いですか
Can't seem to get no rest
心休む間もないですか
いつの時代も人々は疲れていてストレスだらけなんでしょうか?
この不思議なマシーン、皆さんはどんなマシンを想像しますか。実は私は全く具体的なものは思い浮かばず漠然としていました。
試しに、「プレジャーマシン」で米国のyahooを検索していたところ、いくつかバイク関係のサイトが出てきました。膨大な英文の中にbright pleasure
machineという言葉が断片的に出てくるものなので、詳細は調べていませんが、歌を書く時ポールはバイクを想像していたのかもしれません。あるいは、逆で、ポールが書いたこの歌がきっかけで、その後、この名称をバイクにつけたのかもしれない。いずれも私の想像です。
美しいハーモニー、疎外感をテーマとした奥深い詩の世界だけが注目されがちなサイモン&ガーファンクルの歌ですがこんなユーモラスで楽しい歌もあります。映画「卒業」でも使用された「プレジャー・マシーン」は、そんな別の一面を見せてくれる興味深い作品です。
聞くと爽快な気持ちになります。今テレビで癒しの定番エンヤの歌が流れていますが、これも一種の「癒し」的歌(=ストレス解消?)と考えられるかもしれません。
そうか、どんなマシーン? などと考える必要はない、この歌そのものが、「プレジャー・マシーン」だったんですね。
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