「59番街橋の歌」 The 59th Street Bridge Song/Feeling' Groovy
Slow down, you move to fast
のんびり行こう、早すぎるよ
You've got to make the morning last
このまましばらく朝のままで
Just kichin' down the cobble stones,
そうさ、小石を蹴飛ばして
Lookin' for fun and Feelin' Groovy
楽しみを追って、気分は最高!
Hello lamppost
やあ街灯柱君
What cha knowing ?
何か良い話はないかい
I've come to watch your flowers growin'
君のところの花の咲き具合を見に来たんだ
Ain't cha got no rhymes for me ?
うまい韻はないかな
Dootin' doo-doo
Feelin' Groovy
気分は最高さ
Got no deeds to do
用事もないし
No promises to keep
約束もない
I'm dappled and drowsy and ready to sleep
頭の中はまだらで夢うつつ、いつでも眠れるさ
Let the morning time drop all its petals on me
朝の「とき」の花びらを僕の顔に散らしてくれない?
Life, I love you
人生、いいなあ
All is Groovy
すべてが、最高さ
(Copyright: Paul Simon)
迷訳:musiker
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何もコメントを付け加える必要もない、清々しい詩。
先週あとがきで書いたとおり、徹夜明けのもうろうとした、それでいてどことなく高揚した気分をうたっているように感じられます。説によると、マリファナでハイになっている状態を歌ったともいわれ、その雰囲気を察した当時の若者たちの間で大ヒットになったとも。
サウンドとしては、ポールのフィンガーピッキング奏法に加え、ドラム、ウッドベースなどが、実に効果的に加わっているのに気が付きます。これは、ポールが、他のグループのメンバーに参加を求め、共演が実現したものだそうです。特に前奏で聞けるベースのフレーズがとても印象的です。
第二コーラスで「何かrhyme(韻、詩?)のヒントはないかな?」と入れていところに、ポール・サイモンにとって詩を書く行為がまさに日常生活の一部になっていることがわかります。
第三コーラス後半、I'm dappled adn drowsyの部分で歌が三連符となりますが、心も体もよれよれになっている感じがよくでていませんか。
そしていまさら語るまでもありませんが、アートとポールのコーラスラインの絶妙さが、際立ち、歌全体でそれを私たちに強く印象づけています。第三コーラスの三連符部分、そして、歌の終盤、ラララのメロディのポリフォニー的な重なり。
コーラスの素晴らしさをシンプルに楽しみたければ「グレイテスト・ヒット」に収録されているライブを聞くと良いでしょう。
サイモン&ガーファンクルのコーラスの素晴らしさは、ガーファンクルによる功績が大であることは、サイモンも認めています。曲ができると、ポールは、アートに聞かせ、ハーモニーについての提案を求め、その提案をもとに、二人でコーラスを作り上げた、まさに二人三脚の共同作業だったわけです。ポールがピッチャーなら、アートはキャッチャーという絶妙のコンビネーションであの素晴らしい歌声は作られました。その主導は、アートだったというわけですね。
「59番街橋の歌」というタイトルにサブタイトルとして、「フィーリン・グルーヴィー」とついています。元々のタイトルは「フィーリン・グルーヴィー」だったらしいのですが、ポール自身が変えてしまったそうです。ドラッグを連想されることを恐れたのでしょうか?
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