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いとしのセシリア Cecilia

「明日に架ける橋」の第三曲に収録されている、それまでのポールの作品と比べると異色の歌ですね。リズミカルな木琴の間奏といい、ギターといい、南米の音楽を彷彿させる本当に名調子。
 
 ジャンジャンジャガジャガ ジャンジャンジャガジャガ
 
 というリズムも楽しい。
 
 歌の内容は、恋多き女を彼女に持った男が、語る愚痴話。最後は、彼女が自分の元に戻って、喜び転げるというお話。(結局また彼は女に振られるのだろう)
 
 後に、ガーファンクルは、「いとしのセシリア」について、「すごく面白いゲーム」だったと語っていたといいます。ロスに借りた家(ジョージ・ハリスンも借りたことのある豪邸だそうです)のリビングでくつろいで録音され、その時の様子は「歌うと言うより叫んでいた」らしいですよ。楽しい様子が目に浮かびませんか?
 
 その後ポールが南米やアフリカ音楽へ傾聴していったという事を、今思えばそれを納得させる、象徴的な存在が「いとしのセシリア」ですね。
 
 前に、「明日に架ける橋」は、それまでのS&Gの音楽とは一風違う雰囲気を持っていると再三書いていますが、このアルバムは、ある意味で、ポールのサイモン&ガーファンクルの作品からの脱皮、そして終焉の象徴だったのではないでしょうか。
 
 私はこの歌がとても好きで、ブルーな気持ちの時などに元気づけるカンフル剤のように聞いています。

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