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「バイ・バイ・ラヴ」 Bye Bye Love

 ジャーンジャジャッジャーン
 ジャジャッジャーン
 という威勢のよいギターストローク、そしてドラムが鳴り、拍手喝采の中始まるこの歌。アルバムを最初聞いた時、なぜこの歌が入っているか、不思議でなりませんでした。

 エヴァリー・ブラザーズの1957年の初ヒット曲のカバー、しかもライブバージョン。二人が心底好きだった懐かしのナンバーでもあり、彼らのコンサートでもよく演奏されています。今でこそサイモン&ガーファンクルのライブ録音は収録されているCDも多いのですが、当時は皆無。ですから、不思議に感じてはいたものの、ワクワクしましたね。
 
 「ライブ・フロム・ニューヨーク・シティ」のように、彼らのコンサートは、常にポールのギターのみの伴奏でした。しかし、「バイ・バイ・ラヴ」ではバックバンドが入っています。そういえば、マイアミ大学のコンサートでもバンドが入っていました。確かにS&Gの特に後半作品の伴奏は、ギター1本だと効果が薄れるものも多いので、無理もありません。
 
  Bye bye love
  恋よさようなら
  Bye bye happiness
  さらば幸せ
  Hello loneliness
  こんにちは淋しさ
  I think I'm gonna cry
  泣きたいよ
  Bye bye love
  恋よさようなら
  Bye bye sweet caress
  さらば熱烈な抱擁よ
  Hello emptiness
  空虚よこんにちは
  I feel like I could die
  死んでしまうみたい
  Bye bye my love, goodbye
  バイバイ、マイラブ、グッドバイ
  
  There goes my baby
  僕の彼女が歩いている
  with someone new
  新しい彼氏と
  She sure looks happy
  彼女はとても幸せそうだ
  I sure am blue
  僕はブルーなのに
  She was my baby
  彼女は僕のものだったんだ
  Till he stepped in
  奴が現れるまでは
  Goodbye to romance
  ロマンスよさようなら
  That might have been
  今も続いていたかもしれないロマンスよ
 
 歌詞の内容は、まあ、簡単な英語でもありますし、基本的には感傷的な恋の歌ですので、迷訳はこの位にしておきましょう。
 
 ハーモニーの定番三度和音によるハモりで最初から最後までいける、デュオにぴったりの歌。どこか懐かしい感じがしますね。1957年といえば私がこの世に生を受けた翌年ですから随分昔の歌です。でも、今でも充分いきいきした曲ではありませんか。
 
 観客が手拍子でノリノリなのもいいですね。三枚組「旧友」にはポールのギター伴奏のみのライブが収録されています。こうした50年代の歌はの数々は、サイモン&ガーファンクルというデュオの原点なのかもしれません。
 
 ポールのギターで曲が終わると、割れんばかりの拍手を浴びるサイモン&ガーファンクルの二人。まるで会場の光景が目に浮かぶようです。
 
 長い拍手の音に重なるように、美しく、そして悲しい最後の歌が続きます。

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